最終更新日 2024年10月11日 by olfver
「日本のエネルギー問題を真剣に考えている」
「脱原子力発電のポイントは何か?」
「株式会社アトックスの評判や取り組みに興味がある」
原子力発電所は核分裂反応で発電を行う施設のことで、核分裂連鎖反応に対応する原子炉と、熱から発電に必要なエネルギーを取り出す蒸気で回転するタービンを備えているのが特徴です。
仕組みは核燃料を制御しながら核分裂反応を起こし、その反応によって生じた熱で蒸気を発生させるものとなっています。
蒸気で回転するタービンは発電機に繋がっているので、熱が回転エネルギーとなり、やがて電気が生み出されることが分かります。
目次
原子力発電所の歴史を株式会社アトックスに聞く
原子力発電所の歴史は軍事目的に研究、開発が行われてきた兵器と共にあって、歴史的には先に核兵器が実用化されました。
現在の核分裂反応の原理は、1942年にアメリカで成功したシカゴ大学の実験が元となっています。
実は初めて実用化された発電所はアメリカではなくイギリスで、約1年遅れでアメリカも運用を始めました。
その後はフランスやロシア、ドイツというように次々と運用を始める国が増えました。
日本は1950年代に法整備が進められ、1963年に動力試験炉が稼働したのが始まりです。
以降は火力や風力、水力発電などと組み合わせながら、日本の電力を支えることになります。
参考リンク
・グローブシップ株式会社とは?アトックスとの関係は?
日本の原子力政策が大きな転換点を迎えた理由
日本の原子力政策が大きな転換点を迎えたのは、言うまでもなく2011年に発生した東日本大震災による事故です。
これは誰もが予想する以上の津波が発生したことも大きいですが、人災という見方をする人もいます。
つまり事故を防ぐことはできなかったにしても、被害を抑えることはできたのではないかということです。
日本は災害大国で常に災害リスクにさらされていますから、東日本大震災以降の原子力政策が難しくなったのも仕方がないといえます。
確かに原子力発電所は運用が難しく、発生を避けることができない放射性廃棄物の課題もあります。
しかし、日本のようにエネルギーを輸入に頼らざるを得ない国は、安全保障の観点からも原子力のようにリスクとエネルギー効率が高い発電所の運用を考えなくてはいけないのも事実です。
消極的ながらも導入を検討しなくてはいけない事情がある
もしエネルギーの大部分を輸入に頼ることになれば、有事の際に供給が絶たれて人々の生活が成り立たなくなったり、経済が大打撃を受けることになるでしょう。
原子力発電所はまさに諸刃の剣ですが、消極的ながらも導入を検討しなくてはいけない事情があるわけです。
客観的に長所と短所に目を向けたり比較を行えば、必ずしも悪いところばかりではないことが分かるはずです。
長所といえるのはやはり発電量の大きさで、1器で他の発電方式の発電所の何台分もの発電を担うことができます。
火力発電は発電量もそうですが、CO2の発生量が多くて環境負荷が大きいネックがあります。
世界的に環境意識が高まる中、グローバルな流れに逆行するかのような火力発電を充実させるのは難しいです。
風力発電はクリーンといわれているが・・・
風力発電はクリーンといわれていますが、低周波が発生して健康に少なからず影響を与えますから、住宅地の近くは不向きです。
必然的に人が住んでいない広い土地が必要ですし、海外では海上風力発電の研究が進み陸上より効率的に発電できるようになっていますが、台風が発生する日本には向かないです。
水力発電は自然環境に手を入れなくてはならないので、これも今の時代には適していないといえるでしょう。
となるとやはり現実的なのは原子力発電所ですが、万が一の事故に備えなくてはいけないのが設置、運用のハードルとなっています。
特に、人が住めなくなるほどの事故を起こしてしまったわけですから、以前よりも新規に設置する難易度は格段に上がっていると思われます。
停止している発電所の再開すらままならないので、日本は安全保障と安定した電力供給の課題に板挟みの状態です。
人体や環境にも影響を及ぼす放射線を出す放射性物質がネック
これまで以上に安全対策に力を入れると、当然ながらコストが上がりますから、効率的に低コストで発電できる強みが薄れます。
それでもエネルギーの輸入価格が右肩上がりに上昇するような状況が続けば、コストを掛けてでも国内の原子力発電所で発電する方が良いということになり得ます。
災害リスクが無視できるくらいに小さいとすれば、掛けるべきコストは設備や安全対策の人的なコストに留まるので、より運用しやすくなるでしょう。
理想に限りなく近い状態の原子力発電は良いこと尽くめですが、現実には課題が多くて超える必要のあるハードルがいくつもあります。
人体や環境にも影響を及ぼす放射線を出す放射性物質がネックで、運用中は原子炉から漏れ出さないようにしなくてはいけませんし、それは大気中や海洋も例外ではないです。
計画的に想定の範囲内で運用できている間は、放射線や放射性物質が漏れ出す恐れは小さいですが、一度災害が発生するとリスクが増大します。
まとめ
完全に無人で運用したり、万が一漏れ出しても問題にならない程度の影響に留まるなら別でしょうが、そういうわけにはいかないのが現在の原子力発電事情です。
非常時に核反応が停止する核融合は、核分裂と比べて安全な方式といわれていますから、日本にとっては喉から手が出るほどの代物ですし1日でも早い実用化が待たれます。